グラウンぼくたちはいいものを見つけた時、洞穴の中にそれを隠す習性がある。そして見失わないように、穴の上には自分の肉球の跡をつける。 夜になると、何匹かの仲間がグラウンにいる。ぼくたちは皆何かを信じて生きていて、その信念は強いほど大きく育つ。そして、巨木となってこの山に乱立しているの...
鍵をかけた箱この世界には僕だけでいい。僕が1人でのんびりと楽しむために作ったんだ。余計なバカどもが入ってこないように鍵をかけておこう。僕にしか分からない鍵を。僕以外にはこの世界は理解できないし見ることすら出来ない。余計な文句も言われない。
世界の終わりとはじまり土砂降りの雨が大地を、命を、僕らの罪を洗い流す。僕の放った終了措置によってようやく人類は終焉を迎える。 大粒の雨が充満し霧となり、僕の世界は目の前の君だけを捉える。僕はやっと考えることをやめられる。後悔、願い、失望、それら今まで抱えてきたこと全て。最後に君にぼくを知ってほし...