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ぼくたちはいいものを見つけた時、洞穴の中にそれを隠す習性がある。そして見失わないように、穴の上には自分の肉球の跡をつける。

夜になると、何匹かの仲間がグラウンにいる。ぼくたちは皆何かを信じて生きていて、その信念は強いほど大きく育つ。そして、巨木となってこの山に乱立しているのだ。

そのなかでも一際大きく、太く、根は枝分かれし縦横無尽に張り巡らされ、空を覆いつくす枝葉から奇怪な果実たちを実らせた者がいた。ぼくはそいつのことを「友利師狼」と名付けている。

今日もぼくは友利師狼のところへ向かった。

そこはいつも薄暗いせいで、奴の領地に1歩でも足を踏み入れたら足元は謎の茸が生えていて、光は遮られ紫や緑の空気が満ちている。枝葉からぶら下がった果実たちの仕業なのか、どことなく香ばしい匂いがする。 幹の周りには、既に仲間たちがいて思い思いに寛いでいる。

ここは誰にも邪魔されない深層心理。すべては友利師狼が正しく導いてくれる。

「もう限界。自殺なんてするくらいなら全員殺してやります。私は本気です」と、ナイフの画像。 全員というのは僕も入るのだろうか。この下らない世界を君が終わらせてくれて、僕のことも終わらせに来てくれるのなら、何だかすごくたのしみだ。ワクワクしながら一日過ごす。 布団の中で、明日には君が来てくれるかな。 それから数日経っても君は来ず、確認すると君はいつも通りだった。世界は終わらなかった

この世界には僕だけでいい。僕が1人でのんびりと楽しむために作ったんだ。余計なバカどもが入ってこないように鍵をかけておこう。僕にしか分からない鍵を。僕以外にはこの世界は理解できないし見ることすら出来ない。余計な文句も言われない。

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Yurishiro

instagram/twitter  @julyMuff

mail         TlaaaulT@gmail.com

​友利師狼

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